政治の果たすべき最も重要な責任に対する結論
昨日7月16日、衆議院本会議において、自民・公明の賛成多数で安全保障関連法案は可決され、参院に送付されました。国民の生命と財産を守り、平和な暮らしを維持・継続することが、政治の果たすべき最も重要な「責任」です。今回の国会は安全保障関連法案の審議を通じて、この「責任」について議論し、そのために我々国会議員は何をしなければいけないかの結論を出したものでありました。
安定した安全保障情勢構築のための議論
民主党岡田代表も、維新の会松野代表も認めているように、北朝鮮のミサイル配備の進展や中国の軍備増強、東シナ海・南シナ海への進出など、最近の日本を取り巻く周辺の安全保障情勢は、厳しさを増しております。
そういう状況の下で我が国の安全を守るためには、抑止力をいかに高めるかということをどういう方法でやるのかということが最も大きな論点でありました。まさに、抑止力を高め日本に対する攻撃が発生するリスクを低下させるための
①世界のあらゆる国々との信頼関係を深める一層の外交努力。
②アメリカとの同盟関係の一層の強化のための信頼関係の構築。
③世界の平和と安定に対する日本の国際貢献への努力。
④安全保障上想定されるさまざまな状況に対するスキのない取り組み。
等の問題を、いかに整理し、どのような法律にするかを議論したものでありました。
そこで集団的自衛権をぎりぎりまで限定した上で、これを容認することによって、安全保障環境の変化に対応するという「我が国として必要最小限度の措置」として考え抜いたものが、今回の法案であります。そしてこの法案は国民の生死にかかわる明らかな危険があることを前提に、新しい3要件(※1参照)を充たし、かつ国民の代表である国会の事前承認という民主的な手続きの上で行使されるものであります。
国民の平和な暮らしを守り抜く「責任」を果たすためには、今回の安全保障関連法案の成立は必要であり、これを整えることが我が国の安全保障体制のレベルを上げることに必ずなると思っています。
「決める政治」を実行していく重要性
一方、116時間審議をしたとはいえ、なかなか内容に対する理解が深まったとは言い切れない状況だとは思います。しかし院としては、決める政治という安倍内閣の基本的な政治姿勢の中で一つ一つ結論を出してゆくということは重要であります。今後は参議院においても充分審議時間を確保しているので、野党の皆さんにおいても是非衆議院においてさんざんやり取りをしたような「入り口の議論」ではなく、より具体的で生産的な議論を挑んで頂きたいと思います。
法案本質への理解を深めていただくための決意
「自らの国は自らがしっかり守ること」が国の基本であります。そのことを我が国なりの意志と方法を自らで決定をし、平和と安全を確保してゆくということの重要性を今国会において身に染みて考えさせられました。
今法案は絶対に戦争をしないためにやれるべき事を考え抜いての法案であるということの理解を、国民の皆様に頂けるよう引き続き努力をしてゆきたいと思っています。
※1 自衛の措置としての武力の行使の新三要件
- 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
- これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
- 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
▼参考
内閣官房:「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の一問一答