中央アジアで最も発展している国との関係強化を求めて
11月22日から国土交通大臣政務官として、「日本のインフラ輸出促進」のため、日本企業25社とともにカザフスタンを訪ねて参りました。
日程の関係上、羽田からバンコク経由で約20時間かけてのロングフライトでカザフスタンの首都アスタナまで向かい、4泊5日(機内2泊)という強行スケジュールで私にとっては“初めての外交デビュー”でありました。
これは先日の安倍総理の南アジア歴訪の際に、総理とナザルバエフカザフスタン大統領による、多様な分野にわたる経済関係強化のための15件の文書の署名を受けて、それを具体的にフォローアップすることを目的としたミッションでありました。
主な内容は、カザフスタン投資発展省カスィムベク副大臣とのバイ会談、及びカザフスタン側企業団(約100名)と日本側企業団(約50名)による日本側プレゼンテーションを含むマッチング会議でありました。
日・カザフ官民クオリティインフラ会議でご挨拶
日本のインフラ技術を売り込み
カザフスタンは1992年のソ連崩壊後、ナザルバエフ大統領という力と能力のあるリーダーがずっと君臨し、石油採掘による利益を中心に、経済的にも社会的にも中央アジアにおいては最も発展している国であります。2017年には万国博覧会の開催が決まっており、道路や鉄道などの新しいインフラに対する積極的意向を強く持っているため、日本のインフラ技術や経験と実績がカザフスタンの発展に必ず貢献できるという多くの予感を感じました。
しかしながら日本の企業とカザフスタン国内の関係者とのパイプ不足は否めず、今回の試みは国土交通省として自ら積極的に乗り出そうというものであります。特に、副大臣とのバイ会談においては、カザフスタンから要望を具体的に提示したいとの話があり、後日大使館を通じて示される予定ですが、これは一定の成果があったように思います。
カシムベック投資発展省副大臣とのバイ会談
カシブベック副大臣と
我々政府と我が国の民間企業がしっかりタッグを組んで相手国と誠実に向かい合い、我が国しか出来ない“クオリティーインフラ”によって世界各国に貢献できるような努力の必要性を痛感致しました。
短期間で垣間見たカザフスタンという国
さて、カザフスタンは、とにかく寒い国で、首都アスタナは気温マイナス20℃、朝日が昇るのがAM8:30と、いつまでたっても1日が始まらないという感じでありました。ホテルの側の川も凍っていて人が氷の上を歩いているのが見えたぐらいです。
氷点下20度の首都アスタナ市内
カザフスタン最大の都市アルマティは5度と随分暖かい
食事はメインディッシュが馬肉。思った以上に柔らかく、美味でした。お酒はもちろんウォッカとコニャック。強いお酒ですがこれがうまい!一気に飲み干すというのが習慣のようで、少々危険です。「寒いから暖ったまらないとっ」という感じですかね。
カザフ人の顔は日本人によく似ていて親近感を感じますが、愛想はすこぶる悪く、なれなれしい関係にはなりにくい民族ですかね。
街は旧ソ連時代に作ったのも含め、道路は幅広く真っ直ぐで、碁盤の目のように計画的に作られております。日本のように権利関係の悩みはあまりないようで、お金があれば建設物はスピーディーに仕上がりそうです。
人口は1660万人ですが、国民の労働意欲は希薄で、工夫をして、効率的に物事をすすめようというような感性に乏しく、まさに官僚統制の濃い社会でありました。
アルマティ市役所(旧大統領府)前の共和国広場
アルマティの地下鉄駅構内
活気あふれるアルマティの中央バザール
今後の日本とカザフスタンの関係深化に期待
ロシアとの歴史的な深く良好な関係を保ちながら、隣国中国ともうまくやっていかなければいけません。その上、ヨーロッパにも挟まれる中で微妙なバランスを取りながら、戦略的に立場を確立している国であります。その意味においても日本との友好関係を深めるということは、カザフスタンにとっても大切なことと捉えているようでした。我が国も、経済的にも外交的にも戦略的に今回のような働きかけを続けてゆきたいと思っています